取り戻そう!日本の川

日本は国土の7割が森林で覆われ、そこから注がれる
川には綺麗な水が豊富に流れています。水の中には
たくさんの生物が住み、夏は子供たちが魚とりや水遊びで
真っ黒に日焼けしている、大人たちは夕方川辺に
座りながら雑談をして今日一日を終える姿を見ることが
出来たのは、昔の話になりつつあります。

いつからでしょうか。川は危ない所、近寄っては
いけない所になってしまったのは。川沿いには
「危険です。近寄ってはいけません」。と看板さえも
立っています。

しかし、日本の川はその地方の文化を形成し、海の
漁師たちは「森は海の恋人」と言いますが、森の養分を
海まで運ぶ大事な生命線でもあります。そんな川を
見直す時期に来ているのではないでしょうか。
利根川最上流にある滝。川底までくっきり見える透明度

カヤックで川を下っていると、自然林が何の躊躇もなく
伐採されているのを目の当たりにします。まるで川を
壊して水路(側溝)にでもするのかと思えるほどの工事です。

外国人からは日本は自然と共存している素晴らしい国と
たびたび聞きますが、本当にそうなのかと疑いたくなる
光景です。春は桜、秋は紅葉を見たり、また家には盆栽が
あったりと日本人の自然に対する思いは強いはずです。
なのに何故川だけは原風景がなくなっていくのでしょうか。
これからも破壊続けるのはもう止めて欲しいと切に思います。


最近の洪水被害は、異常気象だけではなく人災によるもの
もあると思います。上記写真は岐阜県を流れる長良川です。
蛇行していて、瀬がありその後には瀞場があります。
これなら急な増水時も一気に下流へ流さず調整できます。
しかしコンクリートで護岸工事されたまっすぐな河川は加速をつけ
下流へと水を流してしまいます。これでは下流の洪水被害を
助長しますし、魚が留まることも厳しいでしょう。

昭和初期の利根川を知る人に話を聞くと、昔は鮎が
たくさん釣れ、、ウナギも一日で籠いっぱいになるほど
獲れたそうです。日本初のダム撤去がされている熊本県の
荒瀬ダムでは、撤去後ウナギや、鮎の遡上が増えている
という報告があります。川はその地域だけのものではなく、
すべての生物のためにあります。日本の宝、地球の宝です。

川は決して危ない場所ではなく、自然環境を感じることができる
すばらしい場所です。
「Think globally, Act locally」